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写真集 「室礼(しつらい)」 山本三千子著  叢文社刊  ¥1,500
【中日新聞市民版2000年(平成12年)1月27日(金)】マンリン書店(足助町)深見寿美子店長推奨文
室礼表紙

普段よく使う「設(しつらい)」という言葉にこんなに美しい当て字があることを山本三千子著の「室礼」ではじめて知りました。
節分、ひな祭り、七夕など日本古来の祝い事の飾り付けは生活文化です。 それらを気取らずにシンプルに楽しむ知恵と工夫が、この本のきれいな写真と文章で学べます。
 表紙は和服を台のカバーに使った雛人形の写真。 身近にあるものを上手く活用すればいいんだ、とハッとさせられます。年中行事をインテリアとして取り入れる面白さがいっぱい。
 2年前の秋に仕入れ、じわじわと売れ始めたのは昨年の春ごろから。 すでに100冊近くも出ました。
 さりげない心遣いで季節を演出するセンスが、好感をもたれる理由のようです。モノを買いそろえず、空間を楽しむゆとりの時代の反映でしょうか。 売り手のおもいが伝わったような気がして、うれしく思います。
 今年1月で第4版。 売れないとすぐに本が消えてしまう出版業界にあっても、頼もしい重版。 「飾る場所がない」という声をよく聞きますが、このような本を手にすれば、きっとテレビの上だって使いたくなりますよ。

【選出者まっちゃんの拙文】
内容写真1


内容写真2


 この記事を読んで、すぐに本屋に足を運んだ。小さな書店だったので、「取り寄せで2週間ぐらいかかる」という。仕方なく駅前の有名書店に行ってみると、ありました、それもよく目に付く場所に山積みにして。うれしくなって、さっそく1冊買って帰った。
 ちょうど「雛祭り」近く、我が家にもひな人形が飾ってあるので、この写真集をお雛様の横に並べてみた。
 これがまたとてもいい。
「こんな絵はがきがあったらいいのに」と思うほど、綺麗な表紙がひな人形を引き立ててくれる。

 写真集としてもすばらしいが、書かれている内容がまた「ため」になる。日本の季節行事が7つに分けてあり、それぞれその由来と本式作法がていねいに説明されている。「はあ、こういう由来があったのか、なるほど」とひとりごちてみる。 
1.お正月 2.節分 3.雛祭 4.端午の節句 5.七夕 6.お月見 7.七五三
こうしてみると、日本文化の季節に対する繊細な感性にあらためて感心する。なぜか「日本人も捨てたモノじゃないぞ」と人に自慢したくなる。

 今度はこの写真集を人に見せびらかしたくなった。ちょうどいいときにご近所さんが来た。下駄箱の上の陶びなの横に「これ見よがし」においたこの写真集を手に取ると、陶びなには目もくれず「いいね、これ」という。「そうでしょ、いいでしょ」と合いの手をいれると、「1冊自分に買ってきてくれ。」 
 ここまでわずか30秒、この本、どうやら人を虜にするようだ。

 先日訪れたばかりの有名書店、来てみてびっくり。この前は確かにうずたかく積まれていたはずの写真集があとわずか数冊になっていた。売れる本はあっという間というがすごい。今日来て良かった。わずかのところで「取り寄せ」に遭うところであった。でも、すこし嬉しかった。この写真集の魅力を判る人がこんなにたくさんいて。
製本はしっかりしているし値段も手頃。贈り物にも喜ばれそう、日本の風情を楽しむには、こんな本が1冊必要だ。

 クリスマスツリーやリースは飾るが、鏡餅やしめ縄はしない、そんな世代人の課題図書にしたい本だと思う。


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